@numa08 猫耳帽子の女の子

明日目が覚めたら俺達の業界が夢のような世界になっているとイイナ。

LGBTを読み解く を読んだ

この本を手にとったきっかけは、2018年の年末に読んだブログだった。

razokulover.hateblo.jp

はてぶのホットエントリーでみたのだけれど、本文中に気になる一文があった。

「自分は寛容な人間なのでLGBT?とかいうやつにも寛容だぜ、理解してるぜ」とか「何でも受け入れるよ僕は」みたいな、知ったかぶりな態度の人は意外と多いんじゃないかなと思う。 良心的であることや寛容であることに満足して、その先のもっと詳しい部分を知ろうとしない態度。 これこそがマジョリティ的な態度であり、本当の意味での理解を阻害してしまっている

この文章を読んでまさに自分のことじゃないだろうか?と恐怖を覚えたのがきっかけ。性的指向についてはマジョリティに属する自分がマイノリティのことを正しく理解せず、無意識のうちに傷つけているのではないだろうか?と思った。

この本はメインタイトルが「LGBTを読みとく」だけれど、どちらかと言うと副題の「クィアスタディーズ入門」の方が主題で、「クィアスタディーズ」という非常に大雑把に一言でまとめると、「セクシュアルマイノリティについていくつかの視点からセクシュアルマイノリティそのもの、あるいはマジョリティなど性に関する事柄を考察する」方法を学ぶための本だ。

つまり、この本を読んでもセクシュアルマイノリティを理解できるわけでも、傷つけないように振る舞うことができるわけでもない。この本に書かれているクィアスタディーズによる考察や分析を行うことで過去に発生した現象や事件、または文学や映像作品などを考察することができるようになる。もうちょっと具体的に書くのなら、「今日の自分の発言は、セクシュアルマイノリティに対する差別的な発言ではなかっただろうか?」と夜眠るときに布団の中で反省や考察ができるようになる、と言える。

この本は「クィアスタディーズ入門」とあるようにやはり入門書にすぎなかった。この本を読んで、実際に世の中で起きている意識的あるいは無意識的なセクシュアルマイノリティに対する差別や共感について考察を行い、さらに参考文献として紹介している本を読んで知識を身に着けて自分の振る舞いを正していくための最初の足がかりとして役立つ本だと言える。