デザインスプリント ―プロダクトを成功に導く短期集中実践ガイド
- 作者: Richard Banfield,C. Todd Lombardo,Trace Wax,安藤幸央,佐藤伸哉,牧野聡
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2016/11/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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僕が所属している会社、合同会社コベリンは自社開発、運営のサービスやアプリで収益を上げていきたい思いがある。現実にはそうなっていないのだけれど。
その思いから、社内でのリソース配分を見直してリリースをしたのが rocket-ci だった。
残念ながらこのサービスはリリースを予定していたところに、 Amazon が類似の CodeBuild をリリースしてきたために開発ペースを落として、会社内における価値を当初の収益を上げるサービスとは違うものとして設定している。
どうしてこうなってしまったのだろうか。その理由の1つがプロダクトデザインだったのかもしれない。
「デザインスプリント ―プロダクトを成功に導く短期集中実践ガイド」は非常に読みやすい本で、前半の章でデザインスプリントとは何なのか、なぜ行うのかを説明してくれた後に後半の章で具体的な実践方法を説明してくれる。実践の方法もリファレンス形式なので後から読み返すときに発見が簡単だ。
プロダクトデザインということについて、そう言えば僕たちはしっかりとした方針や手法を確立することなく、いきなりプロジェクトをスタートさせてしまったかもしれない。今にして思えば、もっとしっかりと事前の検証や競合の調査についても行っておけばよかった。 AWS CodeBuild はまだリリースされていなかったが CodeDeploy なんかは既にリリースされていたので、そこから今後の動向予測として CodeBuild に相当するもののを思いつくことができたかもしれないし、そうなればリソースの配分やプロダクトの目的、プロジェクトの進め方を考えることができたかもしれない。
良い失敗体験だったとは思うけどね。
この本が解説をしてくれるのはあくまでもプロダクトデザインだ。プロジェクトに参加するメンバーとできれば顧客、決定権を持った会社の偉い人が参加をして製品の方向性を決定する。プロジェクトがスタートする最初かあるいはそれ以前に行うべきことだ。
デザインスプリントのお陰で最初のアイデアをブラッシュアップすることもできるし、場合によっては製品自体が誰にも求められていなかったことが判明するかもしれない。
しかし、それは製品が成功することの補強にはならない。どちらかと言うと早めに失敗するための手法だ。
西海岸の方では早めの失敗が推奨されると言うが、自分の持つアイデアを世に出す時には中々失敗を認められないものだ。
この本を読んで客観的にアイデアを見直し、早めの失敗を何度も繰り返していずれは大当たりをするサービスをリリースしたい物だ。