年末年始、kindleで気になったビジネス書でも読んでみようと思って購入。まったりと読んでいたので1週間くらいで読み終わった。タイトルが「ゼロ・トゥ・ワン」となっているように起業において最も大切なことは「1をそれより大きい数にする」ことではなく「0を1にすること」とするのが本書の主張。
- 作者: ピーター・ティール,ブレイク・マスターズ
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2014/09/25
- メディア: Kindle版
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起業の目的や手段、この先生き残るためには
書籍の中で何度も出てくるフレーズの1つに「賛成する人のほとんど居ない、大切な真実は何だろうか?」という疑問があった。隠された真実とも言っている。起業を行い会社の価値を高め、この先の未来をつくるために必要なことはこの「隠された真実」に気がついて、課題を見つけ解決し独占することに他ならないと著者は主張をしている。
この先生き残るために必要なこと、それは「独占」だと思う。確かにそうだ。他の人の追随を許さず、参入の余地のないことを行いしかもそれが価値のあることならば、少なくとも自分の代の中で生き残ることは可能だ。ただ、資本主義社会の中では独占は悪とされてもいる。競争こそが釈迦の原理であり、我々を進歩させるのだと。
冷静に考えると競争はあんまりよろしくない。競争の結果生まれるのはライバル企業を潰してやろうとするモチベーションだ。そこの消費者が入り込む余地はない。いかに競争をすることを避け独占状態を作り出すことができるのか、それこそが大切なことなんだ。
どうやって独占状態を狙うか
本書の中では企業がどうやって市場の独占状態を狙うのか、その方法についても論じている。幾つか要点はあって詳しくは本を読むべきなんだろうけれど、例えば狙い目を間違ってはいけないと言ったものがある。
ランチにミャンマー料理店を出店しようと思っている人が居たとして、そのエリアでミャンマー料理店は他にないので独占状態となる!ということはもちろん、無い。ライバルは他のミャンマー料理店ではなくランチを出すお店だ。
スタートアップのビジネスを考えるときにこれはやりがちなミスとなる。ある視点から見れば独占状態だけれど実はそれはもっと大きな目線で見れば独占状態とはいえない。本の中では2010年にアメリカで起こったクリーン・エネルギーバブルを例にこう言った企業が陥りがちなミスを具体例と一緒に説明をしてくれていて分かりやすかった。
また、独占状態を狙うために小さくスタートすることも推奨している。テスラが成功を収めたのはクリーン・エネルギーバブルの中で「クリーン」な自家用車を求めていた富裕層に対して、プリウスや箱のような電気自動車ではなく、クールなデザインのスポーツカーを販売し、独占をしたからだと分析していた。
この本を読んで
今、コベリンでは詳しくは書けないけれど新しいサービスをスタートさせようと調査や準備を行っている。この本から大きく外れたことは行っていないと思うが、この本に出てくる「7つの質問」、つまり
- エンジニアリング - 他社より10倍以上の差があるテクノロジーを持っているか
- タイミング - そのビジネスを始めるのに適切な時期か
- 独占 - 大きなシェアが取れる小さな市場からのスタートができるか
- 人災 - 正しいチーム作りができているか (これはできていると思う)
- 販売 - プロダクトを作るだけではなく、それを届ける方法があるか
- 永続性 - この先10年、20年と生き残るポジショニングができているか
- 隠れた真実 - 他社が気がついていない、独自のチャンスを見つけているか
について再度話し合って見る必要性があると思った。