この家には絶対のルールがあって、それは必ず女性の名前をつけることだった。"彼女"もその例に漏れず、名前を YORIKO
と言った。
「PCは大学に入ってから買いなさい」と親に言われたことを覚えている。
だから、大学2年の2月か3月に引っ越しをした後、自分用のマシンを作った。
要件も覚えている。
- Windows XP と Vista のデュアルブート
- Microsoft Flight Simulator X が正常に起動する
- ディスプレイの数を増やす余地を残す
- プログラミングができる(当時はどの言語、フレームワークを利用するかはあまり考えていなかった
- VMWare の仮想マシンで Linux を動作させることができる
この辺りを満たすマシンを2008年の春に作った。かかった費用は11万円くらいだったと思う。OS代は大学のライセンスを使えたので除いている。
それから8年。M/BもCPUもグラボももちろんストレージも何もかもを取り替えたのだが、それでも "彼女" はそのままだった。
利用していたCPUはi7の台1世代 i7-940
M/B は MSI の X58A-GD45
最終的にSanDiskのメモリを 16GB 積んだ
もちろん、Blu-rayのドライブも搭載して、映画なんかも見られるようにした。
上記のコンポーネントにアップデートしたのは 2012 年か 2013 年だったと思う。
ディスプレイもアームを使って4枚に出力していた。
結局のところ、「飽きて」しまったのだ。
あんまりゲームもやらなくなった。プログラミングも mac book pro があれば十分ということに気が付いた。
そうなると、ハードウェアのメンテナンスが必要になる "彼女" は、ただ手のかかる奴でしかなく、その瞬間、別れようと思ってしまったわけだ。
パーツをばらして売却。全部で 14,500 円。そのお金でBlu-rayプレイヤーと Chromecast を購入した。今の俺に必要なのは多分あとは Fire TV だけだ。
年をとると共に趣味が変わると言うのだけど、なるほどと言ったところだ。今、趣味は変わった。かつてはコンテンツを楽しむための手段にフォーカスを当てていたのだが、今ではコンテンツそのものを楽しんでいる。
これを成長というのか退化と言うのかは、分からないが少なくとも今を楽しんで生きているし、そして同時に青春の一つが終わりを告げたのかもしれないと、そう思う。
在りし日のデスクトップにさよならを。そして、この世界の自作erに祝福を。