ちょっと油断をしていたら、Amazonプライムビデオでドラえもんの映画が見放題になっていました。
いわゆる「大山ドラ」の映画については、短編も含めてDVD-BOXを持っているので別に良いのですが「水田ドラ」については円盤を購入していない物もあったので嬉しい限り。また、これを機会にたくさんの人がドラえもんを見返したりあるいは、新しい出会いがあったりするとそれはそれで嬉しいことです。
さて、特定の世代は「水田ドラ」に対して複雑な感情を持っている可能性があるような気がするのですが、長編映画作品を見ると結構面白い作品が多いので雑な感じで紹介をしていきます。
ランキング形式で上位3位を今回は選んでみました。
映画ドラえもん のび太の恐竜2006
声優さんを始め、テレビシリーズの所要なスタッフさんが一斉に交代されたのが2005年。その、新規スタッフによる最初の映画は、ドラえもんの最初の劇場版「のび太の恐竜」のリメイクでした。監督は「結婚前夜」や「おばあちゃんの思い出」の監督を務めてきた「渡辺歩」氏。
丁寧に原作をイメージした作風にかなりウルっと来た思い出があります。高校の時でしたが、3回くらいは見に行ったかなと。ドラえもん、のび太を始めとする5人のと、そして「ピー助」との友情、そして別れ。
原作漫画は「ギャグ漫画」であるはずのドラえもんが、やたらとシリアスでそしてなんだか物悲しい雰囲気を持っていましたがその雰囲気をそのまま映像化したような作品でした。現代に戻ってきた彼らがママに何をやっていたのかと聞かれたときに「うん、ちょっとね」と一言つぶやくラストは、ほんのちょっと大人になった彼らが日常にまた戻ってきたシーンで心にしみるものが有りました。
映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館
2013年公開のリメイクではないオリジナル作品。22世紀を舞台にした初めての長編映画*1です。ドラえもんの映画と言うと割りとシリアスなシーンや泣ける、グッと来るシーンが多いのですがこの映画はひたすらギャグやコメディのみです。それが良い。
原作もそうですし、テレビシリーズもかなりナンセンスなギャグが飛び出してきます。その雰囲気をそのまま映画化してくれたような楽しさ。「ひみつ道具博物館」というタイトルのようにひみつ道具もたくさん出てきます。また「どこでもドア」が実は元々は非常に大型で技術の発展と共に小型化されていった、と言ったこの映画のために追加された設定なんかもあって楽しいですね。
ひたすら楽しい時間を過ごせる、ある意味で最もドラえもんらしいドラえもんの映画です。
映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団
2012年公開のリメイク作品。オリジナルの鉄人兵団も好きですがこちらも大好きです。監督は寺本幸代さんで、この作品は確か六本木で深夜の最速上映会に行ったときに見たのですが、寺本監督は製作中は青いボールを「ピッポ」として持って制作作業や指導を行っていたとおっしゃっていて面白かったです。
オリジナルには登場しなかったキャラクターとして、ザンダクロスのAIがキャラクター化した「ピッポ」が登場しますが、彼が良い意味で期待を裏切ってくれました。新キャラ発表のとき、「また変なキャラを増やして蛇足感が出るのか・・・」なんて思ったりもしたのですが、蓋を開けてみれば意外や意外。しずかちゃんとリルルの関係性とのび太のピッポの関係性が濃厚に描かれていて、そしてその絆が人類を救う鍵になっていく描画は涙なしには見られません。
また、メカによる戦闘シーンや爆発の美術もすばらしく「え、これドラえもんだっけ!?」と思わせる、GAINAX作品のような迫力があります。
まとめ
3作品中2作品が寺本幸代監督の作品でリメイク作品と言うのもなんだか恣意的と言うか偏りを感じないでもないですが。いい物は良いのでまぁいっか。来年には新しい映画も公開、日本誕生のリメイクが公開されるので楽しみですね。
*1:銀河超特急を含めるかどうかは微妙なところですが。