@numa08 猫耳帽子の女の子

明日目が覚めたら俺達の業界が夢のような世界になっているとイイナ。

「大好き」が全て詰まった「期待以上」の映画 ~劇場版 ガールズ&パンツァー~

ガールズ&パンツァーを初めて見たのは今年の10月下旬か11月初旬だったか。バンダイチャンネルの期間限定見放題対象だったので、物は試しと見てみたのが初めてだった。

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全12話なので、休日を潰して一気に見た。と言うか、「一気に見たい」と思ってしまった。

リアルタイムに変化する戦況、迫力のCG、往年のマーチをイメージしつつ新しいサウンドを作り上げたBGM、魅力的なライバル達、過去のトラウマとその対峙、人間ドラマ・・・。

最終回の一騎打ちでは、知らない間に手を固く握り、浅い呼吸の緊張状態の中で瞬きをすることもなく視聴をしていた。最後の一撃、硝煙の晴れたとき果たして決着は・・・。深いため息、あるいは深呼吸とともに流れ落ちた涙は12話と言う短い期間の中で見つめた彼女たちの努力と友情に魅せられた感動の雫だった。

正々堂々、「道」から逸れること無く運すらも味方につけた彼女たち、無名だった大洗女子学園戦車道チーム、その優勝は「戦車道」という架空の武道の歴史に於いて恐らく後世に語り継がれる名勝負となっただろう。

劇場版の感想

テレビシリーズとOVAの感動によってその期待値は否が応でも上がると言う物。池袋の映画館で鑑賞した「劇場版ガールズ&パンツァー」は、果たして期待を超える満足を与えてくれた。

ガールズ&パンツァー(GIRLS und PANZER)|公式サイト

再び廃校のピンチに陥る大洗女学園、絶体絶命のピンチの中、続々と集結するライバル達。昨日の敵は今日の戦勇(とも)、学校の存続をかけた新たな戦いが今始まる・・・。

2時間の映画の中、無意味な説明は無くそして休む暇も無く進行する映画のほぼ全てを戦闘シーンに割いていたのが印象的だった。当然だ、物事の決着を戦車道によって決定する事を決めたのだから、最も大切なのは戦車道の試合なのだから。

大洗連合チームと大学選抜チームはそれぞれ持てる全てを出し切って正々堂々、正面からぶつかり合う。そこに情けは無い。そんなものは、戦車の「道」に逸れることだから・・・。

相手の作戦を読んで最善手を考えるブレインと、自分の特性、長所も短所も受け入れて指揮官からの指令を聞きつつ現場の判断で機転を効かせる末端が揃った両チームの戦いは、最後の最後の瞬間まで予断を許さない、息つく暇の無い戦いだった。

初めて戦う相手というだけあって、次々と繰り出される敵の秘密兵器を前に何度もピンチを迎えるが、その度に冷静な指揮と現場の判断によって乗り越えていく姿にいつの間にかまたあの時の様に、視聴者は拳を固く握り息が浅くなり緊張状態に陥るのだ。

そして迎えた最後の瞬間。大洗連合チームの最後の一撃、それはテレビシリーズでは描かれなかった姉妹の絆の象徴であり、同時にテレビシリーズを通して成熟したあんこうチームの絆の象徴であった一撃は、全力と全力でぶつかり合った大洗連合チームVS大学選抜チームのほぼ互角だった戦力の予測不能な「運」の要素に全てを賭けた一撃となった。

大洗連合チームの勝利・・・ストーリーの展開上、期待されていたがそれでも来る脅威を前に何度も何度もその確信を揺さぶられたその結末は、揺り返しのように強い力と説得力を持って届けられた最高のフィナーレだった。

エンドクレジットが終わり劇場が明るくなり立ち上がろうとしたその時、足が震えた。こんなにも緊張をしていたのか、と。75mm弾、いや152mm、あるいは600mm砲の爆発のような大きな衝撃をもったこの映画は、「戦車道」と言う架空のスポーツの歴史を飛び越えて「アニメーション」とか「バトルエンターテイメント」とかと言ったジャンルの歴史に名を残す一撃となるのではないだろうか。

そんな素晴らしい作品だった。

P.S.

魅力的なキャラクターの多いこの作品で、誰が推しなのかと言われたら麻子かドゥーチェかと迷うところだが、やはりテレビシリーズと劇場版両方に登場する文部科学省学園艦教育局を推したい。

戦車道から外れ保身と面子に囚われた彼の存在が、戦車道の実直さを表しそして物語を形成する大切なキーとなったと言える。やはり、名作に名悪役ありなのだ。

P.P.S

機動武闘伝Gガンダムが好きな人なら楽しめる作品。逆にガルパンが好きな人は機動武闘伝Gガンダムを楽しめる。